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夢見る力を創造力に変えて・・・
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b7ec0024.jpg 小曾根乾堂(こぞねけんどう)は、今となっては多くの事実が歴史に埋没していますが、商人として、文人として、識者として、外国通として、そして地域振興のキーマンとして名を馳せ、自身の才能と私財投じて日本の近代化に貢献した人でした。
 
 
幕末期は、コネクションやネットワークに長けていていたため、勤皇派や佐幕派を問わず一目置かれる存在で、しかも篆刻、書画、音曲、骨董と、何をさせても一流で多芸多才で私が個人的にすごく興味を抱いている人物です。
 
 
乾堂は、長崎屈指の豪商の家に生まれ、文芸に造詣の深かった父親 六左衛門の期待を受けて、幼い頃から書や南画、篆刻(てんこく)、詩や和歌などを熱心に学んで、感性豊かで多趣味な青年に成長しました。
 
 
書は春老谷、水野眉川などの名書家に学び、とくに篆刻では少年の頃から秀でており、自身で印譜「乾堂印譜」「乾堂印藪」を刊行するなどして高い評価を受け、十四代将軍家茂に謁見して隷書を献上したり、幕末から維新にかけては、度々国璽の改刻を建議したりと活躍しています。音楽にも興味を持ち、明清楽の三宅端蓮に師事して中国伝統の月琴を習得しています。後年、乾堂の音楽活動は小曽根明清楽と呼ばれ、長崎の無形文化財として現在でも残っているそうです。
 
 
乾堂は、先を読む事業家としても大いに活躍した人で、松平春嶽の支援によって父親の六左衛門とともに、浪ノ平の海岸一帯を埋め立てて港湾を整備し、交易の拠点づくりに注力しています。
 
 
また、歴代長崎奉行との交流だけでなく、坂本龍馬勝海舟とも緊密な関係を持ち、海舟の長崎妻(愛人)との間に生まれた子供の面倒を見るなど、マメで人脈づくりには長けている人ですね。大河ドラマ『龍馬伝』でも描かれていますが、事実、龍馬の亀山社中の出資者となり、後に海援隊になってからも拠点は小曽根家に置かれ、物心両面で龍馬を支援していたことが想像できます。
 
 
万延元年(1860)、乾堂が海舟に宛てた手紙の中で「軍艦五百隻の建造と上海、ジャワ、仏、英、蘭に商館を開き、旭の旗を立てたい」という自身の想いを語っています。新しい時代を築いて、大船で世界へ乗り出すという龍馬の夢は、乾堂の夢そのものだったのです。
 
 
明治に入っても、乾堂の活躍は止まらず、明治四年(1871) には日清修好条規締結の全権大使 伊達宗城の随員として清国に渡り、天津では日清修好条規文を書きました。このとき、清国の全権大使に認められて「鎮鼎山房」の額を贈られたりしています。
 
 
晩年には地元地域に目を向け、小曽根小学校(後の長崎市立 浪平小学校)の創設や、寺社の建立、小曾根桟橋の建設、岩崎弥太郎が率いた三菱への高島炭鉱の譲渡斡旋など、これまた精力的に活躍しました。ちなみに、乾堂が創設した浪平小学校は統廃合により130余年の歴史を閉じています。
 
 
乾堂を、粋人とか文人とか、鼻が利く商人とか、大物仲介者いう一言で片付けることは決してできません。小曾根乾堂は、幕末と明治という時代を先取りした開明思想家として評価されるべきでしょう。維新以降の社会情勢や中国貿易、日本の近代化に果たした役割は大きいのです。
 
 
私、小川哲司が乾堂に共感するのは、嗜みや趣味でも手抜きをせず、徹底して学んでモノにする気力。それに何といっても、人の才能や器を見極めて人脈を繋ぐ実行力です。乾堂が現代に居てネットワークビジネスに参加したなら、きっと伝説に残るネットワーカーになったでしょうね。(笑)
 
 
最高執行責任統括者 社長 小川哲司
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BEING STAFF
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非公開
自己紹介:
人は、生まれた瞬間から夢を見て、理想を抱いて人生を歩みます。言い換えれば、人は夢を見る力があるからこそ、明日に希望を繋いで生き、人生を歩み続けられるのかも知れません。
夢は、創造し、形に変えてこそ手に入れることができます。価値観は異なっても、誰もが理想や夢を持っています。
けれども、人の命には限りがあります。つまり、夢を追う時間は限られているのです。一人ひとりの人生が、かけがえのないものだからこそ、一人でも多くの人に、夢を実現する創造力を身につけて欲しいのです。
私は、そんな手助けができれば、大変幸せに思います。
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