夢見る力を創造力に変えて・・・
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三吉慎蔵(みよししんぞう)は、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』でも少しだけ人物像が描かれていますが、龍馬が心から信頼した人で、身の危険を察知した龍馬が妻を託す手紙を出していた相手でもあります。もっとも、龍馬好きの人なら”槍の慎蔵”として知る人ぞ知るですが、維新後は歴史の表舞台にはほとんど登場していません。
慎蔵は、維新で活躍した他の秀才肌の志士たちと比べると、決して目立つ存在ではありません。けれども、何より真面目で実直なところが取り柄で、上位者には信頼され仲間からも好かれた人物だったのは確かです。
慎蔵は、天保二年(1831)、長州属藩の長府藩士小坂土佐九郎の次男として生まれます。嘉永二年(1849)に萩の明倫館に学び、同じ頃、宝蔵院流の小幡源左衛門に師事して槍術の免許皆伝。安政四年(1858)には長州本藩の家臣三吉家の養子に迎えられ、槍の腕を見込まれて藩主の近習扈従役(きんじゅうこじょうやく)に任ぜられています。
その後、江川太郎左衛門から西洋砲術を学んで、文久三年(1863)には大砲鋳造掛御締方と精兵隊肝煎(きもいり)になっています。肝煎というのは、支配人のようなもので様々な事案を準備調整したり、上下のパイプ役を果たして命令伝達をスムーズにするなど、組織の基幹となる役職です。こうした慎蔵の経歴からも、コツコツ努力をする真面目な性格を垣間見ることができますね。
そんな、温和で素朴で真面目な慎蔵に運命の出会いがあります。それは坂本龍馬との出会いでした。印藤肇(いんどうはじめ)の紹介で、慎蔵が龍馬と顔合わせしたのは慶応二年(1866)の正月のことで、薩摩藩と長州藩が手を結ぶための本格交渉の直前のことでした。
慎蔵はこの出会いの直後、時局を探って来るようにと藩主から命を受け、龍馬とともに京へ向かいます。そして1月23日の夜、二人は伏見の寺田屋で幕府の役人の襲撃を受け、慎蔵は槍で応戦、龍馬は高杉晋作から贈られたピストルで応戦しますが負傷します。慎蔵は京の薩摩藩邸に急を知らせ、龍馬はされて命拾いしました。二人はこの事件で盟友となります。
長州に戻った慎蔵は、龍馬警護を讃えられ、長州藩主毛利敬親から褒美の刀を下賜され、長府の毛利元周からもえらく褒められ、禄高二十石の加増を受けています。
維新後、慎蔵は長州出身の要人や明治の元勲たちとも親しく交流を続けましたが、高位や高官を望むことなく豊浦藩権大参事となり、その後、乞われて北白川家の家令を勤めた後、政府の要職に就いた多く友人たちに惜しまれつつ、主君毛利元敏(もうりもととし)につき従って東京を離れ、明治二十三年(1890)に郷里の長府に帰郷。
郷里に帰ってからも毛利家の家扶として働き、明治三十四年(1901)に病没。慎蔵は、なんと病死する直前まで主君のお世話をしていたといいます。三吉家代々の墓所は法華寺でしたが、毛利家の意向によって、慎蔵は歴代藩主の菩提寺の功山寺に埋葬されます。
慎蔵は、律儀さと真面目な性格によって、長州藩最後の藩主となった毛利元敏には大変信頼され、晩年はとても親しい間柄だったと伝えられています。
桂小五郎(木戸孝允)や西郷隆盛、大久保利通や山県有朋など、他の明治の元勲に比べれば不器用ともとれる律儀で素朴な人柄、忠義心、そして誠実さが三吉慎蔵の人物像です。そんな誰にも好かれる人物でしたから、誰からも信頼されたのだと思います。
激動の時代を生き抜いた志士たちの中にあって、三吉慎蔵は今ではあまり記憶に残らない存在となっていますが、いつの時代にも人は過ぎた欲を持たず、真っ直ぐ誠実に生きるべきだと教えられているように思います。 槍の慎蔵・・・ まさに槍のように真っ直ぐに忠義を貫いた人ですね。
出世をしたり、財をなしたり、大儀を成したりと人の人生は色々ですが、人との繋がりを大切にして一日一日を真面目に実直に生きることの美しさを、慎蔵のライフスタイルが教えてくれているようです。何かにつけて自己中心になりがちな現代人が失いつつある、誇り高い真っ直ぐな生き方だと感心させられます。
最高執行責任統括者 社長 小川哲司
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人は、生まれた瞬間から夢を見て、理想を抱いて人生を歩みます。言い換えれば、人は夢を見る力があるからこそ、明日に希望を繋いで生き、人生を歩み続けられるのかも知れません。
夢は、創造し、形に変えてこそ手に入れることができます。価値観は異なっても、誰もが理想や夢を持っています。
けれども、人の命には限りがあります。つまり、夢を追う時間は限られているのです。一人ひとりの人生が、かけがえのないものだからこそ、一人でも多くの人に、夢を実現する創造力を身につけて欲しいのです。
私は、そんな手助けができれば、大変幸せに思います。
夢は、創造し、形に変えてこそ手に入れることができます。価値観は異なっても、誰もが理想や夢を持っています。
けれども、人の命には限りがあります。つまり、夢を追う時間は限られているのです。一人ひとりの人生が、かけがえのないものだからこそ、一人でも多くの人に、夢を実現する創造力を身につけて欲しいのです。
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